
つみたてNISA を始めたのはいいけど、最近は下落が大きくて損が出始めているなんて方も多いのではないでしょうか。そもそも つみたてNISA を始めてから数年のは「利益があろうが損があろうが関係ない」が答えになります。売買をしなければ利益も損失も発生しないのです。つみたてNISA の利益確定や損切りについて、避けるべき理由を解説していきます。
私個人が調べた内容や個人の感想のため正確性に欠ける可能性があります。投資を始める際には当サイトの内容をうのみにせず、ご自身で調べ直すようにお願いします。
つみたてNISAの利益確定や損切りは?利益確定と損切りを避けるべき理由について解説

- つみたてNISAには年間上限がある
- 非課税期間が終わっても投資期間の終わりではない
- 下落は購入数を増やすチャンス
- 非課税の残り期間次第で利益確定はあり
つみたてNISA では、「利益確定」や「損切り」は基本的にしないほうが良いです。
特に「損切り」は投資の基本的なテクニックとして、取得した価格より株価が下落した場合に見切りをつけて手放すことを「損切り」として説明されています。
「損切り」は個別株などで投資をしている場合では検討する必要がありますが、つみたてNISAの様に積み立てて投資する場合には考えない方が良いです。
つみたてNISA で「利益確定」や「損切り」をしてはダメな理由について解説していきます。
つみたてNISAのメリットとデメリットの詳細についてはこちらになります▼
つみたてNISAの制度を理解する

- 年間40万円の総額800万円を上限に購入から20年間は非課税で運用が出来る
SNSでも「つみたてNISAで今月〇〇円損した」などの投稿を見かけます。
途中の経過として「現時点でマイナス〇〇円」や「現時点で〇%のマイナス」などは良いですが、「今月〇〇円損した」は、つみたてNISA の制度を理解していないか、自分のやりたい投資方法と合っていない可能性があります。
つみたてNISAには年間上限がある

つみたてNISAには20年の非課税期間があり、非課税期間を年間上限額で運用することにメリットがあります。
運用期間が15年以上であれば、過去の統計的にプラスの収益率となる確率が高く、運用期間が数年では収益率の上下の幅が大きくマイナスになることはよくあります。
運用期間が数年や数か月で、収益率がマイナスになったからと言って「損切り」を行うと、有限である年間上限額や非課税期間を活用することが出来なくなります。
NISAでは売却しても限度額や非課税期間が回復することはないため、つみたてNISAのメリットが生かせないです。
「利益確定」でも売却することで一時的にお金が増えますが、将来得られていた「複利の効果」が得られず、プラスの収益率となる確率が低くなってしまいます。
つみたてNISAは長期・定期・分散

つみたてNISAは長期運用を前提に毎月定額を積み立てて分散投資された投資信託のみに投資ができる制度です。
過去の統計的にプラスの収益率となる確率が高くなる時期まで、コツコツと少しずつ増やしていく投資になります。そのため、将来のために資産を形成することを目的とした人に向いています。
短期的に利益を得たい、資産がマイナスになることが許容できない人には向いていない投資方法になります。
投資をする目的に合わせた投資方法を選択しなければ、目標とする金額や成果になることは難しく自分の許容できるリスクの範囲で投資を行うことが大切です。

なんとなく つみたてNISA を始めて自分の目的と合わないなと感じている方は、NISA ⇔ つみたてNISA への切り替えは可能です。切り替えた後も非課税期間内であれば購入したものを保有し続けることができますので検討してください。
つみたてNISAの詳細についてはこちらになります▼
つみたてNISA は 非課税期間終了=売却 ではない

- 非課税期間を過ぎると特定口座に移管
つみたてNISA では、投資をした年から数えて20年目の年末までが非課税期間となり、始めての投資をしてから20年後に元本が年間上限40万円ずつ、順次非課税期間が終わりを迎えていきます。
非課税の終わっても投資期間の終わりではない

つみたてNISAで非課税期間が終わった投資信託は、自動でNISA口座を開設している証券会社の特定口座 または、一般口座に移管されます。
移管された投資信託は移管時点の評価額で取得したことになり、その評価額より上がって出た利益に対してのみ課税されます。
逆に本来の取得平均額より上がっていても、移管時点の評価額より下がっていれば課税されることはないです。
つみたてNISAで運用期間が終わっても、すぐ売却しなければいけないというわけではないので、目先の利益が欲しいや今がマイナスだからなどの理由で売却することは止めたほうが良いです。
非課税の恒久化も?

つみたてNISAでは「利益確定」や「損切り」した後で値下がり時期に再度購入すると、その年の新しい枠を使うことになります。
売却した枠を再利用する様な制度ではないため、基本的には売却すれば売却した枠は捨てたことになりその枠は非課税として利用することが出来なくなります。
多くのケースではマイナスになった投資信託でも、評価額の回復を待つ余裕があると思います。
もちろん、投資期間が15年以上経過した非課税枠については、「利益確定」を検討する選択もあり得ますが、まだ運用期間が数年程度ではゆっくり回復を持つのが良いです。
2024年以降ではNISA制度が大きく変わる可能性があります。非課税期間を恒久化することや非課税枠の再利用など金融庁からNISA拡充の要望が2022年に出されています。
そういった事からも今すぐ慌てて売却をする必要性はないです。

2022年に金融庁から出されたNISAの拡充要望については、とてもメリットがある要望が盛り込まれています。その中身が決まれば積極的に売買して利益の増加を目指すことが出来るかもしれないです。
NISA恒久化に関するページはこちらになります▼
つみたてNISAで損益を気にするタイミング

- 損益を気にするタイミングは運用15年くらいから
つみたてNISAは長期運用を前提に毎月定額を積み立てて分散投資された投資信託のみに投資ができる制度です。
非課税期間の終盤で暴落や景気後退が起きたらどうすればよいのか気になる人も多いと思いますが、まだまだ先の話です。
非課税期間の序盤~中盤までは、とにかくコツコツと積み立てていくことが大切です。
下落は購入数を増やすチャンス

つみたてNISAを始めてから10、15年の間に株価の暴落や景気後退(リセッション)が起きることもあります。
それでも下落時には毎月の定額で多くの口数を購入するチャンスになります。
そうした下落時にも臆することなく積み立てることで、暴落からの回復や景気後退(リセッション)からの脱却などで評価額が回復してきたときに大きく恩恵を受けることが出来ます。
暴落や景気後退(リセッション)で狼狽して、せっかく積み立てた資産を減らした状態で売却することは自分で自分の首を絞めてしまう行為になります。
損益を気にするタイミングは運用15年くらいから

つみたてNISAでも長期運用が前提だからと全く気にしなくてよいわけではないです。
年に数回程度は自分が保有する投資信託を確認して、世界経済の動向と合わせて確認した方が良いです。
投資先に米国や全世界など経済の成長が期待できるものであれば良いですが、新興国など高リスクの投資信託を選んでいる場合は年に数回程度確認して続けるのか変更するのかを検討した方が良いです。
ただし、頻繁に投資先を変更することはおすすめしないです。
あくまでも大きく世界経済と離れたような状態になっている商品を購入していないかや、投資信託のコストなどについても注意する必要があります。
そうして運用したものの運用期間が終盤に差し掛かる15年くらいから、ここまで形成してきた資産について非課税期間の終了後もそのまま積み立てを続けるのか、いつくらいから取り崩しが必要になるのかを考え始めるタイミングの目安として覚えておくことが必要です。

つみたてNISAでは将来への資産形成が目的に始められる人が多いと思います。その資産を活用せずに終わってしまっては勿体ないのでしっかり活用できるように、しかるべきタイミングで将来について検討してください。
つみたてNISAでも出口戦略は重要

- 自分の年齢と資産額で出口戦略が異なる
- 非課税期間が残っていても「利益確定」はあり
非課税期間の終盤に掛かるタイミングでつみたてNISAの出口戦略を検討を始めておくことが大切です。
重要なのは出口戦略
つみたてNISA で非課税期間の終わりを迎える時期が近づくつみたてNISAの運用15年目くらいから、自分の年齢や資産額に合わせて、一度考える良いタイミングになります。
20代~30代前半から積み立てを始めた人は40歳前後のタイミングでまだまだ現役です。そのまま積み立てを続けても良いですし、ある程度将来への貯えが出来ていれば積み立て以外にもう少しリスクが高い投資を始めても良いかと思います。
30代後半~40代以上で積み立てを始めた人は、もうすぐ定年も見えてくるような年代になります。これから自分や家族にどのくらいのお金が必要になるのかを考えて、定年以降も何かしらの仕事を続けるか、もしくは仕事をしなくても年金と資産の取り崩しで暮らしていけるかなど、見直す良い機会になります。
非課税の残り期間次第で利益確定はあり
つみたてNISAでは「利益確定」や「損切り」はやらない方が良いと解説してきましたが、「利益確定」は残りの非課税期間が残り少なければ、世界経済の動向によって実施するのは「あり」です。
残りの期間で積み上げた利益が、残りの期間で暴落や景気後退(リセッション)で大きく目減りする可能性があり、非課税期間が回復する期間に足りない可能性も出てきます。
非課税期間の終盤となる15年以降では、自分の年齢や資産額、ライフプランなどによっては非課税期間の終了より早めに「利益確定」することも選択肢として持っておくことが大切です。

つみたてNISAの出口戦略と合わせてライフプランを見直す良いきっかけになります。また、ある程度運用している金額が大きくなると、取り崩すのがもったいなく感じてしまいがちですが、せっかく形成してきた資産を使えない方が勿体ないです。ライフプランを考えながら有効に使える様に進めていきましょう。
まとめ

- つみたてNISAでは「損切り」は不要
- 自分の目的と出口戦略が重要
つみたてNISAは長期運用を前提に毎月定額を積み立てて分散投資された投資信託のみに投資ができる制度のため「損切り」は不要です。
つみたてNISA は長期運用を前提として始めたはずです。1か月ごとの損益は現時点で考えることではなく、出口戦略を考える方が大切です。
つみたてNISAを始める目的を見失わない様に、つみたてNISAの制度を理解して将来に向けて安心できるライフプランを考えていきましょう。
つみたてNISAを少額から始めて見ようと思った方向けに失敗しないためのコツをまとめた詳細はこちらになります▼
投資の初心者に始め方を完全解説したページはこちらになります▼
投資はリスクを伴う行為であり、リスクを十分に理解して自分の判断で決めましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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